伊勢の奥深さは、伊勢神宮を中心に受け継がれてきた信仰と営みにあります。
神宮に関する3つの博物館——神宮徴古館・神宮農業館・神宮美術館——では、伊勢神宮の精神と営みを学ぶことができます。
神宮徴古館 登録有形文化財(建造物)
伊勢神宮に関わる神事・式年遷宮・祭具・古文書・衣装・生活用具などを収集・保存しており、それらの実物資料を通して「神宮とは何か」「日本の信仰はどう受け継がれてきたか」を示す「学術的な博物館」です。現在特集展示されている「式年遷宮と御木曳行事」では、伊勢神宮の「式年遷宮」大事業がどのように始まり、その最初の大切な行事である「御木曳(おきひき)」がどんな意味をもつのかを、実物資料・写真・解説で紹介されています。

神宮農業館 登録有形文化財(建造物)
神様にお供えする食べ物(=神饌〈しんせん〉)、それを生み出す 米・麦・野菜・海藻・塩 など、それらを育ててきた農業・漁業・製塩の知恵を通して、「伊勢神宮は “祈る場所” であると同時に “ 育てる営み ” の上に成り立っている」ということを示すための館です。伊勢神宮の「神事を支える農業」と、日本人の農の信仰を伝えています。

神宮美術館
伊勢神宮に奉納された美術作品や、式年遷宮を記念して制作された現代美術作品を中心に展示されています。「悠久なる自然」をテーマに、日本画・洋画・彫刻・工芸などの近現代美術作品を常設展として展示中。式年遷宮の理念と深く関わる「自然への畏敬」「永遠性」が、現代作家の表現を通して紹介されています。

神宮徴古館・農業館・神宮美術館の周囲は神宮が管理する公開緑地となっており、静かに散歩をしたり、建物外観の鑑賞をしたり、季節の草木を眺めたり、自由に散策することができます。大変すばらしい空間ですので、伊勢神宮参拝の際には是非立ち寄って静かなひとときを過ごしてみてください。

今回、展示されていたアクリルパネルがふと目に留まりました。それは、星形の印「セーマン」と格子状の印「ドーマン」でした。海女たちが危険や怪奇現象から身を守るために磯手ぬぐいや襦袢などに施したおまじないだそうです。そして、海女文化を世界無形文化遺産へという取り組みが進められていることを知り、古くから海女が信仰しているという「石神さん」へお参りに行きました。
三重県鳥羽市には、女性の願いを叶えてくれるといわれる三柱の女神様がいらっしゃいます。縁結びの神様「かぶらこさん」(伊射波神社)、女性特有の病や安産の神様「彦瀧さん」(彦瀧大明神)、女性の願いなら一つは叶えてくれるという「石神さん」(神明神社)の三女神様です。多くの女性に人気で外国人グループも参拝に来られていました。



変わりゆく世界の中で日本が何を守り、何を学び、何を発信していくのか、私たち日本人ももっと世界に目を向け、知り、自分の言葉で発信していくことが大切なのだと、伊勢の静けさの中で思いました。
神宮の博物館 https://museum.isejingu.or.jp/index.html
神明神社(石神さん) https://ishigamisan-shinmei.com/
